- 完済時年齢が75歳、80歳の住宅ローン返済はきつい
- 年金暮らしだけでは生活が苦しい状態になった
- 退職後も仕事が無いとやっていけない
こんな声が今ひそかに増えているのをご存じでしょうか?
以前は、65歳か70歳までだった住宅ローンの完済時年齢条件。
しかし、高齢化社会、転勤族の増加、田舎暮らし等の関心から45歳、48歳、50歳等の年齢から35年又は30年の住宅ローンの利用を検討する人が増えています。
事実上は可能なんです。
しかし、ローンを検討するということはその後の返済計画が必要になります。
今回の記事では、住宅ローンを満80歳までの上限で申し込みを検討している方向けに注意点をご紹介しています。
80歳までローンが組めるのは助かる?
最近の傾向として、働き盛りという世代が40代50代で終わりという事ではありません。
65歳でいったん現職を退職した方でもシルバー人材等を通じてお仕事をされている方が多くなりました。
しかし、それでも日々の生活費や消費税増税、医療費負担増加等課題は色々あります。
住宅ローン返済がきつい原因
特にコロナ禍になってからの景気の動向等も含めて考えると以下の問題が大きく影響をしてくることを考えておく必要があります。
- 高齢者医療費負担の増額や見直し
- 火災保険地震保険料の増額(築15年目以降)
- 光熱費(電気、ガス代の単価アップ)
今のままの生活水準を維持するためにもお金がかかることは多くなります。
退職後も毎月ローン返済をしなくてはならない状況で老後の家計は確実に圧迫される。
低金利時代の返済方法
この分を取り戻すために必死に定年までの間に繰り上げ返済を行えばいい。
この考え方もちょっと待ったとお伝えしたいのです。
住宅ローン控除を含めて考えた際には、実質ゼロ金利になっているのが現在の政策。
この状況に無理をして繰り上げ返済を行い、現在の貯金を減らすメリットはありません。
むしろ、繰り上げをせずに貯蓄を残さなければいけないケースもあります。
老後の生活が脅かされないようにするには、できるだけ貯蓄を蓄えて奥。
さらに、返済期間を短縮するというよりも万が一に備えるなら、生命保険などで病気やケガにより就労不可能となった際の手厚い補償や保険に加入しておくことが大切。
いずれの場合もサラリーマン時代からとにかく少しでも年齢が若い時に加入していないとその分支払額は多くなります。
80歳までローンが組めるけど管理費は?
特に注意が必要なのが、物件選びです。
注文住宅や戸建ては固定資産税が住まいのエリアによっては資産価値の問題も含めて徐々に下がっていく可能性もあります。
しかし、マンションは別です。
- 修繕積立費
- 管理費
- 駐車場代、駐輪場代
- インターネット回線費用
- 町内会費
こうした支払いの総額は基本的に上がっていく傾向があります。
特に修繕積立費の増額により最初は毎月3万円だったのが10年、15年と経過すると月々5万円程度を永遠に支払うことになります。
年金生活者にとって、この支払が住宅ローン以外にもついてくるのは正直に言ってかなり大変だと思ったほうが良いでしょう。
私はこの点を考えて、新築注文住宅を購入することにシフトしました。
メリットなしの実態
実は老後の生活を守るうえでも実際には80歳までという年齢設定は甘い誘い文句でしかないのです。
子どもの成長に伴う課題は昔と今では大きく異なります。
- 40代50代を中心とする早期退職、リストラの加速
- 再就職が厳しい職種、業種(コロナ禍)
- 一括精算するまでの貯金がない
このような状況になってしまうと、結局は審査は通過したが退職金もない状態ではどうやって支払うのか?
こんな夫婦の話し合いが続くことも容易に想像ができるのです。
しかし、こういう時にも「みんな同じ」とか「自分だけが苦労しているわけではない」という属性的な思考が優先するのは間違いです。
恐ろしい未来が待っているということを直視しなければいけないのが先です。
年金収入と返済計画
老後の生活にはいくらのお金を必要とするのか?
この答えとして、単純に貯金ゼロ~100万円いかという状況になってしまったばあい、あっという間に家計は赤字に転落します。
毎月10万円の赤字になれば、5年で600万円、10年で1200万円、15年なら、1800万円というすうじになってくるのです。
結局、この数字を60歳で定年の会社員なら20年近く追いかけてようやく完済ができるという計算になります。
老後貧乏や貧困という類に該当するとその後の未来は絶望的になります。
死ねば完済も安易すぎる
毎月赤字になるのはプライドが許さない。
でもどうせガン家系だから自分もローン返済中に死亡する時は来るだろう。
そうすれば、団信(団体信用生命保険)でローンはゼロだ。
自分は早く死ぬだろうと安易に憶測で考えていませんか?
この場合も結局長生きしたらどうなるのかの方が大変なのです。
最悪の誤算になるのが、ペアローンで妻に先立たれてしまったという形。
これもまた夫の立場は妻の収入が減った分をカバーしなければいけない分が残ってくる可能性がある。
決してみんなが30年、35年で借り入れしているから大丈夫ですみたいな同調圧力の営業トークを鵜呑みにしてはいけません。
住宅の売り手は、あくまで商品を売買することが目的。
本人がその後借金が多額になって自己破産に追い込まれたとしても関係ないのです。
あくまで自分がどうなるのかを大変なほうで検討する。
これができない場合は、自分の子どもたちにも迷惑をかける可能性があると思ったほうが良いですよ。