- 土地を購入しようと思っている方
- 家を建てようと思っている方
もしかして、その土地は軟弱地盤かもしれません。
軟弱地盤は、建物の基礎沈下や不同沈下などの原因となる可能性があります。
建物の安全性や耐久性に重大な影響を与える恐れがあります。
今回の記事では、
- 軟弱地盤の基礎知識
- 種類
- 対策
- 不同沈下との違い
まで、オーナー向けに徹底解説します。
軟弱地盤について不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
軟弱地盤とは?
軟弱地盤とは、地盤の強度が弱く、建物の荷重に耐えられない可能性がある地盤のことを指します。
具体的には、以下の地盤が軟弱地盤に該当します。
- N値が3以下の粘性土
- N値が5以下の砂質土
- 有機質土
- 高有機質土
- 腐植土
- 液状化しやすい地盤
N値とは、地盤調査で用いられる標準貫入試験で得られる数値です。
N値が低いほど、地盤の強度が弱いことを示します。
軟弱地盤の種類
軟弱地盤は、発生原因や地質によって以下の種類に分類されます。
人工的な盛り土
人工的に盛り土された地盤です。
盛土は、宅地造成や埋め立てなどによって形成されます。
地盤の強度が低く、不同沈下が発生しやすい。
地盤調査によって、土の厚さや地盤の強度を調査する必要があります。
【完全ガイド】不同沈下とは?原因と解決方法、補修費用まで徹底解説!
軟弱粘性土
軟弱粘性土とは、粘土分の多い地盤です。
粘土は、水を含むと軟らかくなり、強度が低下します。
地震や雨水によって、地盤沈下や不同沈下が発生しやすい。
地盤改良工事によって、地盤の強度を高める必要があります。
地盤改良とは?種類やメリットデメリット【トラブル事例の原因と対処法】
液状化しやすい地盤
液状化しやすい地盤とは、地震によって液状化しやすい地盤です。
液状化とは、地震の揺れによって地盤中の水が砂粒の間から噴き出します。
地盤が液体の状態になる現象です。
液状化によって、
- 建物の傾きや沈下
- 倒壊
などの被害が発生する可能性があります。
地盤改良工事によって、液状化しにくくする必要があります。
有機質土
有機質土とは、腐葉土などの有機物を多く含む地盤です。
有機物は、時間の経過とともに分解されて地盤が沈下する可能性があります。
地盤沈下によって、建物の傾きや不同沈下が発生しやすい特徴があります。
地盤改良工事によって、地盤の沈下を防ぐ必要があります。
その他
上記以外にも、元が沼地、湿地、海岸線などの場合には、注意が必要です。
様々な軟弱地盤があります。
それぞれの軟弱地盤には、それぞれ異なる対策が必要となります。
軟弱地盤に家を建てる場合は、専門家に相談しておきましょう。
具体的には、地元に詳しい方に話を聞くとわかりやすいです。
例えば、
「埋め立てて売った土地だよ。」
など地元の方であれば、昔何があったのかを知っている人はたくさんいます。
地元に詳しい不動産屋さんに質問するのもよいでしょう。
適切な対策を行うことが重要です。
軟弱地盤の対策
軟弱地盤の対策方法は、地盤の種類や建物の規模によって異なります。
ここでは、代表的な軟弱地盤の対策とそれぞれの特徴をわかりやすく解説します。
地盤改良工事
地盤改良工事とは、地盤の強度を高める工事です。
様々な工法がありますが、代表的な工法は以下の通りです。
- セメント系固化材注入工法: セメント系固化材を地盤に注入し、地盤を固化させる工法
- 鋼管杭工法: 鋼管杭を地盤に打ち込み、建物の荷重を地盤下層に伝える工法
- 表層改良工法: 地盤表面を改良して、地盤の強度を高める工法
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不同沈下防止工事
不同沈下防止工事とは、建物の不同意な沈下を防ぐ工事です。
代表的な工法は以下の通りです。
- アンダーピニング工法: 地盤下に杭を打ち込み、建物を支える工法
- ラーメン構造: 柱と梁で建物を支える構造
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軽量化
建物の重量を軽量化することで、地盤にかかる荷重を減らすことができます。
- 木造建築や軽量鉄骨造などの軽量な構造を採用する
- 太陽光発電パネルなどの重量物を設置しない
排水対策
地盤に雨水が浸透すると、地盤が沈下する可能性があります。
- 排水管を設置して、雨水を地盤から排水する
- 擁壁を設置して、地盤の崩壊を防ぐ
専門家に相談
軟弱地盤の対策は、地盤の種類や建物の規模によって異なります。
軟弱地盤に家を建てる場合は、複数の専門家に相談しておきましょう。
適切な対策を行うことが重要です。
軟弱地盤と不同沈下の関係
軟弱地盤は、不同沈下の原因となる可能性があります。
不同沈下とは、建物の基礎が不同意に沈下することによって起こるトラブルです。
不同沈下によって、建物の傾きや壁・床のひび割れなどが発生します。
軟弱地盤の調査方法
軟弱地盤かどうかを調査するには、以下の方法があります。
- 地盤調査: 専門業者に依頼して地盤調査を行う
- 過去の災害履歴: 過去の地盤災害履歴を調べる
- 周辺環境: 周辺の建物の傾きなどを調べる
上記の中でも、過去の災害履歴や周辺環境を確認しておくことをおすすめします。
軟弱地盤に家を建てる際の注意点
軟弱地盤に家を建てる場合は、不同沈下などのトラブルを防ぐために、以下の点に注意する必要があります。
地盤調査をしっかりと行う
軟弱地盤かどうかを判断するためには、専門業者に依頼して地盤調査を行うことが重要です。
地盤調査では、以下の項目を調査します。
- 地盤の強度
- 地盤の種類
- 地盤の層状
- 地下水の量
適切な対策を行う
地盤調査の結果に基づいて、適切な対策を行う必要があります。
代表的な対策は以下の通りです。
- 地盤改良工事: 地盤の強度を高める工事
- 不同沈下防止工事: 建物の不同意な沈下を防ぐ工事
- 軽量化: 建物の重量を軽量化する
- 排水対策: 地盤に雨水が浸透しないようにする
複数の専門家に相談する
軟弱地盤の対策は、専門知識が必要となります。
軟弱地盤に家を建てる場合は、必ず専門家に相談しましょう。
専門家は、地盤調査の結果に基づいて、適切な対策を提案してくれます。
費用を理解する
軟弱地盤の対策には、費用がかかります。
- 地盤改良工事
- 不同沈下防止工事
などの費用は、数百万円から数千万円になることもあります。
例えば、不同沈下(地盤沈下)の修正費用は、100万円から700万円が相場となります。
軟弱地盤に家を建てる場合は、これらの費用を理解した上で、予算を立てることが重要です。
リスクを理解する
軟弱地盤の対策を行っても、不同沈下などのトラブルが発生する可能性はゼロではありません。
軟弱地盤に家を建てる場合は、これらのリスクを理解した上で、慎重に検討することが大切です。
参考資料:
- 国土交通省: 宅地防災マニュアル
- 一般社団法人日本建築士会: 住宅トラブル
軟弱地盤は、全国各地に存在します。
軟弱地盤に家を建てようとしている場合は、上記の注意点を参考に、慎重に検討しましょう。