
近年、地震による液状化被害が各地で発生しています。
液状化は、地盤が水の影響で液体の状態になります。
建物の沈下や傾斜、道路の陥没などの被害を引き起こします。
今回の記事では、液状化しやすい地盤の判定方法と対策について解説します。
自分の住んでいる地域が液状化のリスクがあるかどうか確認していますか?
被害に遭わないために、土地選びは慎重に行いましょう。
液状化とは?

液状化とは、地震などの揺れによって地盤中の水が動きます。
地盤が液体の状態になる現象です。
地盤が液状化すると、
- 建物の沈下や傾斜
- 道路の陥没
などの被害が発生します。
液状化しやすい地盤の特徴

液状化しやすい地盤には、以下の特徴があります。
- 砂質土で粒径が比較的均一で粒の粗さが中程度の砂(中粒砂)からなる
- 地下水位以深にあって、水で飽和している
- N値が20以下程度である
N値とは、地盤調査で用いられる標準貫入試験で得られる数値で、地盤の締まり具合を表します。
N値が低いほど、地盤が緩く、液状化しやすいと言えます。
地質の特徴
- 砂質土で粒径が比較的均一で粒の粗さが中程度の砂(中粒砂)からなる
- 地下水位以深にあって、水で飽和している
- 過去の液状化被害が発生している地域
地盤調査結果の特徴
- N値が20以下程度である
- S波速度が200m/秒以下である
N値とは、地盤調査で用いられる標準貫入試験で得られる数値で、地盤の締まり具合を表します。
N値が低いほど、地盤が緩く、液状化しやすいと言えます。
S波速度とは、地震波の一種であるS波の伝達速度を表す数値で、地盤の硬さを表します。
S波速度が低いほど、地盤が柔らかく、液状化しやすいと言えます。
販売前の使用状況
- 埋立地
- 旧河道
- 海岸線
これらの地域は、地下水位が高く、砂質土が多い傾向があります。
また、過去の液状化被害が発生している地域は、再び液状化が発生する可能性が高いと言えます。
液状化のリスクを判断するには、専門業者による地盤調査がおすすめです。
地盤調査では、N値やS波速度などの地盤の性質を測定することで、液状化のリスクを判定することができます。
液状化のリスクを判定する方法

液状化のリスクを判定するには、以下の方法があります。
- 地盤調査
- 液状化判定マップ
地盤調査は、専門業者に依頼して行うことができます。
液状化判定マップは、自治体などが公開している場合があります。
液状化対策

液状化対策には、以下の方法があります。
- 地盤改良
- 免震構造
- 制震構造
地盤改良は、地盤を固めることで液状化を防ぐ方法です。
免震構造は、建物を地震の揺れから隔離することで被害を防ぐ方法です。
制震構造は、建物の揺れを制御することで被害を防ぐ方法です。
地盤改良
地盤改良は、地盤を固めることで液状化を防ぐ方法です。
代表的な地盤改良工法は以下の通りです。
- セメント系固化材による地盤改良
- 地盤中にセメント系固化材を注入し、地盤を固化させる方法
- 比較的安価で施工が容易
- 地盤の強度が大幅に向上する
- 薬液注入工法
- 地盤中に薬液を注入し、地盤中の土粒子を固化させる方法
- セメント系固化材よりも高価
- 地盤の強度向上に加え、液状化しにくくなる効果がある
- 表層混合処理工法
- 地盤表面を掘削し、セメント系固化材と土を混ぜて地盤を固化させる方法
- 施工が容易で、短工期で完成できる
- 地盤の強度向上に加え、液状化しにくくなる効果がある
- 深層混合処理工法
- 地盤を深く掘削し、セメント系固化材と土を混ぜて地盤を固化させる方法
- 表層混合処理工法よりも高価
- 地盤の強度向上に加え、液状化しにくくなる効果がある

地盤改良とは?種類やメリットデメリット【トラブル事例の原因と対処法】
免震構造
免震構造は、建物を地震の揺れから隔離することで被害を防ぐ方法です。
建物の基礎と地面の間に免震装置を設置する方法もあります。
地震の揺れを建物に伝えないようにします。
免震構造は、液状化対策だけでなく、地震による建物の倒壊を防ぐ効果もあります。
制震構造
制震構造は、建物の揺れを制御することで被害を防ぐ方法です。
建物の内部に制震装置を設置する方法があります。
地震の揺れのエネルギーを吸収し、建物の揺れを抑えます。
制震構造は、液状化対策だけでなく、地震による建物の損傷を抑える効果もあります。

その他の対策
- 建物の軽量化
- 建物の基礎の強化
- 液状化発生時の避難計画
液状化対策は、建物の規模や地盤の状態などによって異なります。