近年、高層ビルやマンションの建設に多く採用されている「ラーメン構造」。
ラーメン構造は、柱と梁で構成されるシンプルな構造です。
高い耐震性と自由な空間設計を実現できる画期的な技術です。
今回の記事では、
- ラーメン構造の仕組み
- メリット・デメリット
- 構造計算
- 代表建築物
まで詳しく解説します。
建築関係者やマイホーム検討者の方、ラーメン構造について知りたい方は必見です!
ラーメン構造とは?
ラーメン構造とは、柱と梁を剛接合で一体化させます。
ラーメン状の骨組みで建物を支える構造です。
ラーメンとはドイツ語で「枠」という意味です。
柱と梁で四角形の枠を構成することが特徴です。
ラーメン構造という名前が付けられています。
ラーメン構造のメリット
ラーメン構造のメリットは以下の通りです。
- 高い耐震性
- 自由な空間設計
- 軽量化
- 施工の容易さ
- コストパフォーマンス
高い耐震性
ラーメン構造は、柱と梁が一体化しています。
よって、地震などの横方向の力に強いです。
また、ラーメン構造は、壁に頼らずに建物を支える構造です。
壁の配置に制限が少ないのが特徴です。
よって、地震時の建物の揺れを抑えることができます。
自由な空間設計
ラーメン構造は、壁に頼らずに建物を支える構造です。
よって、壁の配置に制限がありません。
そのため、広い空間や複雑な形状の空間を設計することができます。
軽量化
ラーメン構造は、壁に頼らずに建物を支える構造です。
よって、壁を少なくすることができます。
そのため、建物の重量を軽量化することができます。
施工の容易さ
ラーメン構造は、比較的シンプルな構造です。
よって、施工が容易です。
また、ラーメン構造は、プレキャストコンクリートなどの部材を用います。
工期を短縮することができます。
コストパフォーマンス
ラーメン構造は、高い耐震性と自由な空間設計を実現できます。
一方で、施工費用は比較的低コストです。
そのため、ラーメン構造は、コストパフォーマンスの高い構造と言えます。
ラーメン構造のデメリット
ラーメン構造のデメリットは以下の通りです。
- 耐火性の低さ
- 施工精度
- 不同沈下
耐火性の低さ
ラーメン構造は、柱と梁が一体化しています。
そのため、火災が発生した場合。
火が柱や梁に燃え移りやすくなります。
つまり、建物全体に燃え広がる可能性が高いです。
施工精度
ラーメン構造は、柱と梁を剛接合で一体化させる構造です。
よって、施工精度が非常に重要です。
施工精度が低ければ?
- 建物の耐震性が低下します。
- 不同沈下が発生したりする。
などの可能性があります。
不同沈下
ラーメン構造は、地盤の不同沈下によって建物の傾斜が発生しやすい構造です。
不同沈下が発生した場合。
建物の構造や設備に被害が発生する可能性があります。
【完全ガイド】不同沈下とは?原因と解決方法、補修費用まで徹底解説!
意匠の制限
ラーメン構造は、柱と梁が一体化しています。
よって、意匠の自由度が制限されます。
例えば、柱や梁を隠すようなデザインは難しいです。
地震時の揺れ
ラーメン構造は、地震の揺れを建物全体に伝える構造です。
地震発生時に大きな揺れを感じる可能性があります。
高層建築に適している
ラーメン構造は、高層建築に適した構造です。
低層建築の場合、ラーメン構造のメリットが活かしきれない場合があります。
施工業者
ラーメン構造は、専門的な知識と技術が必要となる構造です。
施工できる業者が少ないというデメリットがあります。
コスト
ラーメン構造は、高強度な材料を必要とします。
よって、コストが高くなる場合があります。
複雑な構造
ラーメン構造は、複雑な構造なので、設計や施工に時間がかかる場合があります。
ラーメン構造の構造計算
ラーメン構造は、柱と梁の接合部を剛接合と仮定して構造計算を行います。
ラーメン構造の構造計算には、以下の方法があります。
- 手計算
- 構造解析ソフト
ラーメン構造の代表建築物
- 東京スカイツリー
- 六本木ヒルズ
- 東京タワー
- 多くの中高層ビル・マンション
ラーメン構造と他の構造の比較ポイント
ラーメン構造と他の構造の比較表
構造 | 特徴 | メリット | デメリット | 向いている建物 |
---|---|---|---|---|
ラーメン構造 | 柱と梁で構成される構造 | 耐震性が高い、自由な空間設計が可能 | 耐火性が低い、施工精度が重要 | 高層ビル、マンション |
壁式構造 | 壁で建物を支える構造 | 耐火性が高い、施工が容易 | 空間設計の自由度が低い | 低層建築 |
ブレース構造 | 斜め材で建物を支える構造 | 耐震性が高い、軽量化できる | 意匠性が制限される | 中高層建築 |
トラス構造 | 三角形の骨組みで構成される構造 | 長距離の荷重を支えられる | 複雑な構造 | 橋梁、体育館 |
※ 上記は一般的な比較であり、個々の構造によって異なる場合があります。
補足
- ラーメン構造は、壁式構造やブレース構造と組み合わせることで、それぞれのメリットを活かした構造を作ることができます。
- 近年では、ラーメン構造の耐火性を向上させるための技術も開発されています。