ビルトインガレージは、住宅の一部に車庫を設置するものです。
雨風から車を守るだけでなく、生活スペースを広く使うこともできます。
今回の記事では、
- ビルトインガレージとは?
- ビルトインガレージのメリット
- ビルトインガレージのデメリット
- ビルトインガレージは延べ床面積に含まれる?
- ビルトインガレージと関連のある規制
- シャッターの種類と選び方
- ビルトインガレージを成功させるポイント
- ビルトインガレージでよくある失敗や後悔
- ビルトインガレージは建築費も高い
上記の内容について、わかりやすく解説します。
ビルトインガレージとは?
ビルトインガレージとは、住宅の一部に車庫を設置するものです。
車庫の屋根や壁が住宅の構造体と一体化しているため、耐久性や安全性に優れています。
ビルトインガレージには、以下のメリットがあります。
- 雨風や雪から車を守る
- 生活スペースを広く使える
- セキュリティ性が高まる
ビルトインガレージのデメリット
ビルトインガレージには、以下のデメリットもあります。
- 建築費がかかる
- 車庫の面積が広くなる
- 車庫の換気が難しい
ビルトインガレージは延べ床面積に含まれる?
ビルトインガレージは、建築基準法上では「建築面積」に含まれます。
そのため、容積率や建ぺい率などの制限に影響します。
ただし、ビルトインガレージの面積が一定以下であれば、延べ床面積に含まれない場合もあります。
ビルトインガレージと関連のある規制
ビルトインガレージを設置する際には、以下の規制に注意が必要です。
- 建築基準法
- 消防法
- 都市計画法
建蔽率
建蔽率とは、敷地面積に対する建物の面積の割合のことです。
建蔽率が100%の場合、敷地面積のすべてを建物で覆うことができます。
ビルトインガレージは、建築基準法上では「建築面積」に含まれます。
そのため、ビルトインガレージの面積が建蔽率の制限を超えると、違法建築となります。
建蔽率の制限は、用途地域によって異なります。
一般的に、住宅が建てられる用途地域では、建蔽率が60%~80%程度です。
容積率
容積率とは、敷地面積に対する建物の延べ床面積の割合のことです。
容積率が100%の場合、敷地面積のすべてを延べ床面積で占めることができます。
ビルトインガレージは、建築基準法上では「建築面積」に含まれます。
そのため、ビルトインガレージの面積が容積率の制限を超えると、違法建築となります。
容積率の制限は、用途地域によって異なります。
一般的に、住宅が建てられる用途地域では、容積率が200%~300%程度です。
建蔽率の緩和措置の対象条件
建蔽率や容積率の制限は、一定の条件を満たすことで緩和される場合があります。
ビルトインガレージを設置する際には、緩和措置の対象条件をチェックしておきましょう。
建蔽率の緩和措置の対象条件としては、以下のようなものがあります。
- 敷地面積が一定以上である
- 敷地の形状が一定の条件を満たす
- 敷地の周囲に一定の距離を空ける
一部ですが、
外壁のない部分が4m以上ある。
柱の間隔は2m以上ある。
天井高が2.1m以上ある。
地階を除いた階層が1である。
などの条件を満たすことで、緩和されますが、実際に外壁のない部分が4m以上というのは、非常に大きなハードルとなります。
容積率の緩和措置の対象条件としては、以下のようなものがあります。
- 敷地面積が一定以上である
- 敷地の形状が一定の条件を満たす
- 敷地の周囲に一定の距離を空ける
- 一定の防災設備を設置する
なお、建蔽率や容積率の緩和措置を受けるためには、市区町村の建築審査を受けなければなりません。
シャッターの種類と選び方
ビルトインガレージのシャッターには、以下の種類があります。
- 引き戸
- 横引き戸
- ロールシャッター
- 電動シャッター
シャッターの種類によって、開閉のしやすさや防犯性、耐久性などが異なります。
ビルトインガレージを成功させるポイント
ビルトインガレージを成功させるためには、以下のポイントを押さえましょう。
- 車庫のサイズを適切に設計する
- シャッターの種類や機能を検討する
- 換気や採光を計画する
車庫のサイズを適切に設計する
車庫のサイズが狭すぎると、車の出し入れが難しくなります。
使い勝手が悪くなります。
また、車庫が広すぎると、建築費が高くなってしまいます。
車庫のサイズは、車種や家族の人数に合わせて、適切に設計しましょう。
シャッターの種類や機能を検討する
シャッターには、
- 引き戸
- 横引き戸
- ロールシャッター
- 電動シャッター
など、さまざまな種類があります。
シャッターの種類によって、開閉のしやすさや防犯性、耐久性などが異なります。
また、シャッターの機能として、
- 防犯ガラス
- 採光窓
- 換気扇
などを追加することもできます。
シャッターの種類や機能を検討して、自分に合ったものを選びましょう。
換気や採光を計画する
ビルトインガレージは、密閉された空間になるため、換気や採光が重要です。
換気扇や採光窓を設置して、十分な換気と採光を確保しましょう。
予算をしっかり確保する
ビルトインガレージの建築費は、住宅の規模や車種によって異なります。
一般的に、1台分のビルトインガレージの建築費は、坪単価で50~80万円程度かかります。
ビルトインガレージを設置する際には、予算をしっかり確保しておきましょう。
ビルトインガレージを設置する際には、上記のポイントを押さえて、失敗や後悔を防ぎましょう。
ビルトインガレージでよくある失敗や後悔
ビルトインガレージを設置する際には、以下の失敗や後悔が起こる可能性があります。
- 車庫のサイズが狭すぎる
- シャッターの種類や機能が不十分
- 換気や採光が十分でない
車庫のサイズが狭すぎる
車庫のサイズが狭すぎると、車の出し入れが難しくなります。
使い勝手が悪くなります。
また、車庫が広すぎると、建築費が高くなってしまいます。
車庫のサイズは、車種や家族の人数に合わせて、適切に設計しましょう。
シャッターの種類や機能が不十分
シャッターの種類別にメリットデメリットを下記にまとめました。
シャッターの種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
引き戸 | 開閉が簡単で、手動でも電動でも対応可能 | スペースを必要とし、開閉時に音がする |
横引き戸 | 引き戸と同様に開閉が簡単で、スペースを必要としない | 耐久性に劣る場合がある |
ロールシャッター | スペースを必要とせず、開閉時に音がしない | 手動で開閉する場合は力が必要 |
電動シャッター | 手動よりも開閉が簡単で、力も必要ない | 価格が高い |
換気や採光が十分でない
ビルトインガレージは、密閉された空間になるため、換気や採光が重要です。
換気扇や採光窓を設置して、十分な換気と採光を確保しましょう。
ビルトインガレージは建築費も高い
ビルトインガレージの建築費は、住宅の規模や車種によって異なります。
一般的に、坪単価50~80万円で計算します。
1台あたり5坪が必要と言われています。
ビルトインガレージの台数毎の施工費用
車の台数 | 施工費用 |
1台 | 250万円~400万円 |
2台 | 500万円~800万円 |
3台 | 900万円~1,440万円 |
- ガレージの内装
- コンクリートの種類
- 天井や壁材などの内装設備
などにこだわる場合には、予算を多めに用意しておくことをおすすめします。