
「転勤が決まったけど、まだ住宅ローンがたくさん残っている…」
「今の家では手狭になったから住み替えたいけど、ローンが残っているのに売却できるのかな…?」
もしかしたら今、あなたはそう考えながら、「住宅ローン 売却」と検索し、自宅の売却とローンのことが頭の中でぐるぐるしているかもしれません。
「もし売却してもローンが残ったらどうしよう…」
「損せずに売るにはどうしたらいいんだろう…」
「何から手を付けていいか、全く分からない…」
ご安心ください。
住宅ローンが残っている自宅でも、売却することは十分に可能です。
そして、適切な知識と手順を踏めば、損をすることなく、あるいは最小限の負担で次のステップへと進むことができます。
今回の記事では、住宅ローンが残っている物件の売却に特化して、
- 売却方法の基本
- 損益分岐点の見極め方
- 売却成功のための具体的な戦略
- 忘れがちな諸費用
まで、あなたの疑問を解消し、安心して自宅売却を進めるための情報を余すことなくご紹介します。
最後まで読み進めることで、あなたの住宅売却に関する不安が解消され、きっと具体的な計画へと自信を持って踏み出せるようになるはずです。
住宅ローンが残っていても「自宅は売却できる」その仕組みを理解する
「住宅ローンが残っているのに、家を売れるの?」という疑問は当然のものです。
結論から言えば、売却は可能です。
その仕組みをまず理解しましょう。
住宅ローンと「抵当権」の関係
住宅ローンを組む際、購入した自宅には金融機関によって「抵当権(ていとうけん)」が設定されています。
これは、万が一住宅ローンの返済が滞った場合、金融機関がその自宅を競売にかけることで、貸し付けたお金を回収できる権利のことです。
自宅を売却する際には、この抵当権を抹消する必要があります。
抵当権が抹消されないと、買主は安心して自宅を購入できません。
抵当権を抹消する方法
抵当権を抹消するためには、住宅ローンの残債をすべて完済する必要があります。
売却代金で完済する
一般的な売却では、買主からの売却代金で住宅ローンの残債を一括返済し、同時に抵当権を抹消します。
自己資金で完済する
売却代金だけではローン残債を完済できない場合(売却損が出る場合)は、不足分を自己資金で補って完済します。
つまり、住宅ローンの残債を完済さえできれば、自宅は売却できるということです。
「売却損」を防ぐ!住宅ローンが残る物件の売却方法
売却代金でローン残債を完済できれば良いのですが、そうならないケースも考慮し、最適な売却方法を検討しましょう。
売却方法の選択肢と損益分岐点
自宅の売却には大きく分けて2つのパターンがあります。
アンダーローン(売却益が出る・残債がなくなるケース)
売却価格 > 住宅ローン残債 + 諸費用
売却代金でローンを完済し、残ったお金は手元に残ります。
理想的な形です。
オーバーローン(売却損が出る・残債が残るケース)
売却価格 < 住宅ローン残債 + 諸費用
売却代金だけではローンを完済できず、不足分が残ってしまいます。
この不足分をどうするかを考える必要があります。
【重要】まずは「住宅ローンの残債」と「おおよその売却査定額」を把握する
ローン残債の確認
金融機関から送られてくる「返済予定表」や、インターネットバンキングなどで現在のローン残高を確認します。
売却査定額の把握
複数の不動産会社に査定を依頼し、自宅がいくらで売れそうかを確認しましょう。
この際、「一括査定サイト」を利用すると、複数の不動産会社からまとめて査定を受けられ、比較検討に便利です。
オーバーローンの場合の対処法
売却してもローンが残ってしまう「オーバーローン」の場合でも、選択肢はあります。
自己資金を投入して完済する
最もシンプルな方法です。
不足するローン残債分を貯蓄などの自己資金で補い、ローンを完済して抵当権を抹消します。
注意点
手元の資金が少なくなりすぎないよう、売却後の生活費や次の住まいの費用を考慮しましょう。
買い替えローン(住み替えローン)を利用する
現在の住宅ローン残債と、新しく購入する物件のローンを合わせて借り入れる方法です。
メリット
自己資金がなくても住み替えが可能になる場合があります。
デメリット
新規ローン+残債となるため、借入額が大きくなり、審査も厳しくなります。
また、金利が高めに設定されることもあります。
向いている人
安定した収入があり、次の住まいへの住み替えを急ぐ人。
任意売却を検討する
住宅ローンの返済が困難になり、オーバーローンで自己資金も投入できない場合の最終手段です。
債権者である金融機関の合意を得て、市場価格に近い価格で自宅を売却します。
メリット
- 競売よりも高値で売却できる可能性が高い
- 残債の返済方法について金融機関と交渉できる
デメリット
- 信用情報に傷がつく(ブラックリストに載る)
- 金融機関の同意が必要
向いている人
- 住宅ローンを滞納している
- 滞納する恐れがある人
相談先
任意売却を専門とする不動産会社や弁護士。
住宅ローン残債がある自宅売却の「具体的な手順」
売却をスムーズに進めるためのステップを確認しましょう。
ステップ1:ローン残債と売却相場を把握する
- 金融機関にローン残高証明書の発行を依頼し、正確な残債を確認。
- 複数の不動産会社に査定を依頼し、売却可能額の目安を知る(一括査定サイトが便利)。
ステップ2:不動産会社を選び、媒介契約を結ぶ
- 査定額だけでなく、担当者の信頼性、売却実績、販売戦略などを比較検討し、パートナーとなる不動産会社を決定。
- 「専任媒介契約」または「一般媒介契約」を選んで契約します。
ステップ3:売却活動を開始する
- 不動産会社が、インターネット、チラシ、オープンハウスなどで買主を探します。
- 内覧対応が必要になるため、室内をきれいに保ち、買主への印象を良くする工夫が重要です。
ステップ4:買主と売買契約を結ぶ
- 買主が見つかったら、売却価格、引き渡し時期、契約解除の条件などを交渉し、合意に至れば売買契約を締結します。
- 手付金を受け取ります。
ステップ5:住宅ローンの完済と抵当権抹消の手続き
- 売却決済日(引き渡し日)に、買主から残代金を受け取ります。
- 同日、残代金と手付金を合わせて、金融機関に住宅ローンを一括返済します。
- 司法書士が抵当権抹消の手続きを行います。
ステップ6:物件の引き渡し
- 鍵や関係書類を買主に引き渡し、売却完了です。
住宅ローン残債がある自宅売却で「損しない」ための注意点
後悔しない売却のために、以下の点に注意しましょう。
売却の「タイミング」を見極める
金利の状況
住宅ローンの金利が低い時期は、買い手もローンを組みやすいため、売却に有利に働くことがあります。
不動産市場の動向
地域の不動産価格のトレンド(上昇傾向か下落傾向か)を見極めることも重要です。
季節要因
一般的に、新生活が始まる春(1〜3月)や、転勤の多い秋(9〜11月)は不動産の需要が高まる傾向があります。
売却にかかる「諸費用」を把握する
売却価格だけでローンを完済できると思っても、諸費用を考慮すると手元に残らない、あるいは持ち出しになる場合があります。
仲介手数料
不動産会社に支払う費用。
売却価格の3%+6万円+消費税が上限です。
印紙税
売買契約書に貼付する印紙代。
登記費用
抵当権抹消登記費用や司法書士への報酬。
測量費用
必要に応じて境界を明確にするための測量費用。
譲渡所得税・住民税
売却益が出た場合に発生します。
特例(居住用財産の3,000万円特別控除など)が適用できる場合があります。
引っ越し費用
次の住まいへの引っ越し費用。
その他
- 荷物処分費用
- ハウスクリーニング費用
など。
これらの諸費用は、売却価格の5%〜8%程度を見込んでおきましょう。
「住み替え」の場合は「売却先行」か「購入先行」かを決める
新しい家を探しながら現在の家を売却する場合、どちらを優先するかでリスクが変わります。
売却先行(おすすめ)
まず現在の家を売却し、売却代金でローンを完済してから新しい家を購入します。
メリット
- 資金計画が立てやすい
- 二重ローンになるリスクがない
デメリット
- 売却から購入までの間に仮住まいが必要になる場合がある
購入先行
新しい家を購入してから現在の家を売却します。
メリット
- 仮住まいが不要
デメリット
- 二重ローンになるリスクがある
- 現在の家がなかなか売れないと、資金繰りが厳しくなる可能性がある
住宅ローン減税の「再適用」と「注意点」
もし、現在の住宅で住宅ローン減税を受けている場合、売却時期によっては適用が終了する、あるいは再適用ができないケースがあります。
要件の確認
新しい住宅でも減税を受けたい場合は、適用要件を事前に確認しましょう。
住宅の取得日
住宅ローン減税は、基本的に「取得日」を基準に適用されます。
古い住宅の減税と新しい住宅の減税を重複して受けることはできません。
まとめ:住宅ローン残債があっても「計画的な売却」で安心を!
住宅ローンが残っている自宅の売却は、一見複雑に感じるかもしれません。
しかし、正しい知識と計画があれば、決して難しいことではありません。
この記事でご紹介した
- 売却の仕組み
- 損益分岐点
- 具体的な手順
- 注意点
を参考に、あなたの状況に合わせた最適な売却計画を立ててみてください。
- まずは、正確なローン残債と売却査定額を把握することから始めましょう。
- 信頼できる不動産会社を見つけ、密に連携を取りながら売却活動を進めることが重要です。
- 諸費用や税金、そして買い替えの場合は次の住まいのことも含めて、全体的な資金計画をしっかり立てましょう。
計画的な売却によって、あなたは安心して次のステップへと進み、新たな生活をスタートさせることができます。
あなたの未来の暮らしのために、今、一歩を踏み出しましょう。