地震の恐怖から家族を守る!
近年、地震被害の増加に伴い、地震に強い家づくりへの関心が高まっています。
その中でも注目されているのが、「制震構造」です。
今回の記事では、
- 制震構造の仕組み
- メリット・デメリット
- 導入事例
などを詳しく解説します。
地震に備えて、安全な家づくりを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
制震構造とは
制震構造とは、建物の骨組みの中に制震装置と呼ばれる装置を設置します。
設置することで、地震の揺れを吸収します。
建物の揺れを抑える構造です。
制震装置には、以下の種類があります。
- オイルダンパー
- 粘性ダンパー
- 鋼板ダンパー
これらの制震装置は、地震の揺れによって発生するエネルギーを吸収します。
熱エネルギーに変換することで、建物の揺れを抑えます。
制震構造のメリット
制震構造は、地震の揺れを吸収し、建物の揺れを抑える構造です。
耐震構造と比較した制震構造のメリットは以下の通りです。
地震の揺れを抑える効果が高い
制震装置によって、建物の揺れを1/2~1/3程度に抑えられると言われています。
家具の転倒や落下などの被害を抑えられる
建物の揺れが小さくなることで、家具の転倒や落下などの被害を抑えることができます。
家具の転倒や落下は、怪我や二次災害の原因となります。
そのため、制震構造は安全性の高い構造と言えます。
人の揺れによる恐怖感や不快感を軽減できる
建物の揺れが小さくなることで、人の揺れによる恐怖感や不快感を軽減することができます。
特に、高層階では地震の揺れが大きく感じられます。
そのため、制震構造の効果が実感しやすいです。
耐震構造よりも経済的な場合がある
制震構造は、建物の構造を強化する耐震構造よりも、費用が抑えられる場合があります。
ただし、制震装置の種類や建物の規模によって費用は異なります。
そのため、一概に制震構造の方が安いとは言えません。
その他のメリット
- 建物の損傷を抑制し、建物の寿命を延ばすことができる
- 建物の傾斜や沈下などの被害を抑えられる
- 修繕費用を抑えられる
制震構造のデメリット
- 制震装置の設置費用がかかる
- 制震装置の効果は建物の構造や制震装置の種類によって異なる
- 制震装置のメンテナンスが必要
制震構造のデメリットを理解した上で、自分に合っているかどうか判断することが大切です。
以下、制震構造のデメリットをわかりやすく解説します。
制震装置の設置費用がかかる
制震構造は、耐震構造よりも費用がかかります。
制震装置の種類や建物の規模によって費用は異なります。
戸建て住宅の場合、50万円~100万円程度かかる場合が多いです。
制震装置の効果は建物の構造や制震装置の種類によって異なる
制震装置の効果は、建物の構造や制震装置の種類によって異なります。
すべての地震に対して効果があるわけではありません。
大きな地震では効果が十分に発揮できない場合もあります。
制震装置のメンテナンスが必要
制震装置は定期的なメンテナンスフリーとされています。
しかし、通常点検と定期点検があります。
そこで、点検代も無料なのか?
万が一、メンテナンス(油量の補充)が必要になった際には、どの程度の費用が発生するのかも確認しておきましょう。
メンテナンス費用は、制震装置の種類や業者によって異なります。
その他のデメリット
- 制震構造に対応していない建築業者や設計士が少ない
- 制震構造に関する情報が少ない
- 将来、制震装置の性能が劣化する場合がある
制震構造の導入事例
- 東京都庁舎
- 東京スカイツリー
- 阪神高速道路
いずれも戸建てに参考になるようなものではありません。
制震構造は自分に合っているか
制震構造は、地震の揺れを抑える効果的な方法です。
しかし、万能ではありません。
制震構造のメリット・デメリットを理解した上で、自分に合っているかどうか判断することが大切です。
制震構造がおすすめなのは、以下のような方です。
- 地震の揺れが気になる
- 家具の転倒や落下などの被害を防ぎたい
- 安全で快適な家づくりをしたい
免震装置と制振装置の比較
項目 | 免震装置 | 制振装置 |
---|---|---|
地震の揺れへの対応 | 地震の揺れを建物に伝えない | 地震の揺れを吸収して建物の揺れを抑える |
設置場所 | 建物の基礎と地面の間 | 建物の骨組みの中に設置 |
効果 | 地震の揺れを大幅に軽減できる | 地震の揺れをある程度軽減できる |
費用 | 高価 | 比較的安価 |
メリット | 地震による被害を大幅に軽減できる | 耐震構造よりも経済的な場合がある |
デメリット | 工事費用が高い | 効果が建物の構造や制振装置の種類によって異なる |
代表的な装置 | オイルダンパー、粘性ダンパー、鋼板ダンパー | ハイブリッド制振システム、TMD (Tuned Mass Damper) |
※ 上記はあくまで一般的な比較です。
実際の効果や費用は装置の種類や建物の状況によって異なります。
※ 免震装置と制振装置は併用することもできます。