Wi-Fi接続のセキュリティ対策として、WPA2が広く利用されています。
しかし、近年ではWPA2に対する脆弱性が発見されています。
より強固なセキュリティが求められています。
そこで注目されているのが、WPA3です。
今回の記事では、
- WPA3の概要
- 従来のWPA2との違い
- メリット・デメリット
- 設定方法
まで、WPA3に関するあらゆる情報を網羅します。
WPA3とは?
WPA3は、Wi-Fi接続のセキュリティを強化するための最新規格です。
2018年にWi-Fi Allianceによって発表されました。
WPA2の後継規格として、より強固なセキュリティと新たな機能を提供します。
WPA3とWPA2の違い
WPA3とWPA2の主な違いは以下の通りです。
セキュリティ
WPA3は、SAE (Simultaneous Authentication of Equals)と呼ばれる新しい認証方式を採用
より強固なパスワード認証を実現しました。
オフライン辞書攻撃に対する耐性も向上しました。
機能
WPA3は、Wi-Fi Easy Connectと呼ばれる新しい機能を提供
パスワード入力なしで簡単にWi-Fi接続が可能になりました。
従来のWPA2では設定が複雑だったIoT機器の接続も容易になりました。
互換性
WPA3は、WPA2との互換性を維持しています。
WPA2のクライアントは、WPA3のアクセスポイントに接続可能
ただし、WPA3のすべての機能を利用するには、クライアント側もWPA3に対応している必要がああります。
WPA3のメリット
WPA3には、以下のようなメリットがあります。
より強固なセキュリティ
従来のWPA2では、PSK (Pre-Shared Key)と呼ばれる事前共有鍵方式を使用していました。
PSKは、一度漏洩してしまうと、すべての接続が危険にさらされます。
一方、SAEは、Diffie-Hellman鍵交換と呼ばれる技術を用いて、安全に鍵を生成します。
そのため、
- オフライン辞書攻撃
- 中間者攻撃
などのリスクを大幅に軽減することができます。
新たな機能
Wi-Fi Easy Connectは、パスワード入力なしで簡単にWi-Fi接続できる機能です。
QRコードを読み込むだけで、自動的に接続されます。
これは、スマートフォンやIoT機器など、パスワード入力が難しいデバイスにとって便利です。
Enhanced Openは、従来のオープンネットワークよりも安全な接続を提供する機能です。
従来のオープンネットワークは、誰でも自由に接続できるため、セキュリティリスクが高くなります。
Enhanced Openは、暗号化技術を用いて、接続を保護します。
Target Wake Timeは、省電力化機能です。
デバイスがWi-Fiネットワークに接続する必要があるタイミングを予測し、そのタイミングのみ接続することで、バッテリー消費を抑えます。
WPA3-Personalは、個人ユーザー向けに、より簡単に設定できるセキュリティ機能です。
従来のWPA2では、複雑なパスワードを設定する必要がありました。
WPA3-Personalは、パスフレーズと呼ばれる、より簡単なパスワードを設定することができます。
WPA3のデメリット
WPA3には、以下のようなデメリットがあります。
対応機器が少ない
WPA3は比較的新しい規格であるため、まだすべての機器が対応しているわけではありません。
特に、2018年以前に発売された機器は、WPA3に対応していない可能性が高いです。
設定が複雑
WPA3は、WPA2よりも設定が複雑です。
WPA2では、パスワードを設定するだけで接続できました。
しかし、WPA3では、セキュリティ設定やその他の設定を行う必要があります。
互換性の問題
WPA3は、WPA2との互換性を維持しています。
しかし、一部の古いWPA2機器との接続に問題が発生する可能性があります。
WPA3の設定方法
WPA3の設定方法は、アクセスポイントの機種によって異なります。
一般的な設定方法は以下の通りです。
- アクセスポイントの設定画面を開く
- WPA3のセキュリティ設定を選択する
- パスワードを設定
- 必要に応じて、その他の設定を行う
- 設定を保存
WPA3の今後
WPA3は、今後ますます普及していくと予想されます。
新しい機器は、WPA3に対応するものが増えていくでしょう。
WPA2は、将来的にはサポート終了となる可能性もあります。
早めにWPA3に移行することをおすすめします。