Wi-Fiの速度や安定性を向上させる技術として、OFDMAとMU-MIMOが注目されています。
OFDMAとMU-MIMOは、それぞれ異なる方式で通信効率を高めています。
関連記事。
OFDMAとは?Wi-Fi6やWi-Fi7で採用される高速通信技術を解説
それぞれにメリットとデメリットがあります。
今回の記事では、
OFDMAとMU-MIMOの違い
それぞれのデメリット
併用は可能なのか?
について、わかりやすく解説します。
OFDMAの仕組み
OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)は、周波数帯域を複数の端末で共有する方式です。
従来との違い
従来のWi-Fiでは、1つの端末が周波数帯域を独占して通信していました。
そのため、周波数帯域の利用効率が低くなります。
複数の端末が同時に通信していると、通信速度が低下する問題がありました。
OFDMAでは、周波数帯域を複数の小さな帯域に分割します。
各端末に割り当てます。
これにより、複数の端末が同時に通信しても、干渉を抑えるようになりました。
結果として、通信速度を向上させることができます。
MU-MIMOの仕組み
MU-MIMO(Multi-User, Multi-Input, Multi-Output)は、複数の端末に同時にデータを送信する方式です。
従来との違い
従来のWi-Fiでは、アクセスポイントは1つの端末につき1つのアンテナを使ってデータを送信していました。
そのため、複数の端末が同時に通信していると、送信帯域が分散されます。
通信速度が低下する問題がありました。
MU-MIMOでは、アクセスポイントが複数のアンテナを使って、複数の端末に同時にデータを送信します。
そのため、送信帯域を効率的に利用することができます。
これにより、従来のWi-Fiよりも通信速度や安定性が向上します。
OFDMAとMU-MIMOの違い
OFDMAとMU-MIMOの違いは、以下のとおりです。
項目 | OFDMA | MU-MIMO |
---|---|---|
通信方式 | 周波数分割多重アクセス | 空間多重アクセス |
通信効率を向上させる方法 | 周波数帯域の共有 | 複数端末への同時送信 |
メリット | 複数端末の同時通信が可能 | 通信速度の向上、安定性の向上 |
デメリット | 端末側の対応が必要 | 干渉が発生する可能性がある |
OFDMAのデメリット
OFDMAのデメリットは、以下のとおりです。
端末側の対応が必要
OFDMAを利用するには、端末側もOFDMAに対応している必要があります。
そのため、すべての端末がOFDMAに対応していないと、OFDMAのメリットを享受できません。
MU-MIMOのデメリット
MU-MIMOのデメリットは、以下のとおりです。
干渉が発生する可能性がある
MU-MIMOでは、複数の端末に同時にデータを送信するため、干渉が発生する可能性があります。
干渉が発生すると、通信速度が低下する可能性があります。
OFDMAとMU-MIMOの併用は可能?
OFDMAとMU-MIMOは、それぞれ異なる方式ですが、併用することも可能です。
OFDMAとMU-MIMOを併用することで、通信効率をさらに高めることができます。
例えば、OFDMAで周波数帯域を共有します。
MU-MIMOで複数端末への同時送信を行います。
結果的に、より効率的な通信が可能になります。