Wi-Fiの速度や安定性が向上する技術として、MU-MIMO(Multi-User, Multi-Input, Multi-Output)が注目されています。
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MU-MIMOは、複数の端末に同時にデータを送信することで、通信効率を高める技術です。
MU-MIMOの仕組み
MU-MIMOでは、アクセスポイントが複数のアンテナを使って、複数の端末に同時にデータを送信します。
従来のWi-Fiとの違い
従来のWi-Fiでは、アクセスポイントは1つの端末につき1つのアンテナを使ってデータを送信していました。
そのため、複数の端末が同時に通信していると、送信帯域が分散されてしまうのです。
結果として、通信速度が低下する問題がありました。
MU-MIMOでは、アクセスポイントが複数のアンテナを使って、複数の端末に同時にデータを送信します。
すると、送信帯域を効率的に利用することができます。
これにより、従来のWi-Fiよりも通信速度や安定性が向上します。
MU-MIMOのメリット
MU-MIMOのメリットは、以下のとおりです。
- 通信速度の向上
- 安定性の向上
- 複数の端末が同時に通信できる
通信速度の向上
MU-MIMOにより、Wi-Fiの通信速度や安定性が向上することで、動画の視聴やオンラインゲームなどの快適な利用が可能になります。
安定性の向上
また、複数の端末が同時に通信できるようになることで、家庭やオフィスでの利便性が向上します。
MU-MIMOのデメリット
MU-MIMOは、複数の端末に同時にデータを送信することで、通信効率を高める技術です。しかし、MU-MIMOにもデメリットがあります。
干渉が発生する可能性がある
MU-MIMOでは、複数の端末に同時にデータを送信するため、干渉が発生する可能性があります。
干渉が発生すると、通信速度が低下する可能性があります。
干渉が発生する原因は、以下のとおりです。
- 端末の位置や向き
- 周囲の環境
- 周波数帯域の混雑
端末の位置や向きがずれていると、送信されるデータが干渉し合う可能性があります。
また、周囲の環境に障害物があると、反射や屈折によってデータが干渉し合う可能性があります。
さらに、周波数帯域が混雑している場合も、干渉が発生する可能性があります。
端末側の対応が必要
MU-MIMOを利用するには、端末側もMU-MIMOに対応している必要があります。
そのため、すべての端末がMU-MIMOに対応していないと、MU-MIMOのメリットを享受できません。
2023年現在、MU-MIMOに対応した端末は、
- スマートフォン
- タブレット
- ノートパソコン
など、一部の機種に限られています。
今後、MU-MIMOの普及が進むことで、対応端末は増えていくと考えられます。
消費電力が上がる
MU-MIMOは、複雑な技術です。
そのため、アクセスポイントや端末の製造コストが高くなる可能性があります。
さらに、消費する側にとっても、複数の端末を同時に利用することで、消費電力が上がります。
MU-MIMOとWi-Fi7
Wi-Fi7では、MU-MIMOの機能がさらに強化されます。
Wi-Fi7では、最大8台の端末に同時にデータを送信することが可能になります。
また、データの送受信に使う周波数帯域を拡大することで、さらに高速な通信を実現します。
Wi-Fi7の登場により、MU-MIMOのメリットはさらに大きくなります。
今後、Wi-Fi7の普及が進むことで、より快適で安定したWi-Fi通信が可能になるでしょう。