新築の住宅を購入する際、快適な生活環境を期待するのは当然のことです。
しかし、新築住宅においても床鳴りといった問題が発生することがあります。
床鳴りは、歩行時や物の移動時に発生する不快な音で、その原因や修繕方法について正確に理解することが大切です。
さらに、新築住宅の場合、建設業者の保証に関連する問題も浮上することがあります。
今回の記事では、新築住宅の床鳴りに焦点を当て、保証対象かどうかや対処方法について詳しく説明します。
建設業者とのコミュニケーションや契約条件の確認が、問題解決において鍵となります。
床鳴りとは?
床鳴りの定義
床鳴りとは、床の表面が歩行や物の移動によって発生する音のことを指します。
この音は、異音とも呼ばれ、その原因によって異なるタイプの床鳴りがあります。
床鳴りは、家庭や建物の床に発生する一般的な問題の一つです。
快適な居住環境に悪影響を及ぼすことがあります。
床鳴りの音の種類
床鳴りは、さまざまな原因によって引き起こされます。
主な床鳴りの種類には以下があります。
【クリーピングノイズ】
床の表面同士が摩擦して生じる音で、歩行時によく聞かれます。
【クリックノイズ】
床の隙間や継ぎ目に物が挟まることによって発生する音で、物を動かすときに聞こえます。
【クラッキングノイズ】
床の下にある構造材料が変形することによって発生し、季節や湿度の変化に関連しています。
ミシミシ、ギシギシという低い音はフローリング以外
パキッとか高い音の場合には、フローリング本体が原因の可能性があります。
床が鳴る原因と見分け方
床鳴りの一般的な原因
床鳴りの原因はさまざまですが、一般的な原因には次のようなものがあります。
- 湿度の変化: 床材が湿度の変化に敏感で、膨張や収縮によって音が発生します。
- 床材の不均一性: 床材の質や施工が不均一である(つなぎ目のかみ合わせがズレている)と、床鳴りが起きやすくなります。
- 床下の構造: 床下にある構造材料や支持体の変形や緩みが原因となることがあります。
- 接着剤のはがれ:下地材とフローリングのすき間から音がする場合、下地材の変形または接着剤のはがれの可能性があります。
- シロアリの被害:フローリングの土台がシロアリの被害を受けていることもあります。
- 根太や大引きの腐食:根太やや大引きといった木材が腐食したり、劣化することで床が沈むことがあります。この場合、最悪のケースでは、床が抜けることがあります。
- 釘がこすれる:フローリングを固定するための釘がこすれてしまう症状もあります。
※腐食や劣化の場合には、湿気によるものです。
キッチンやトイレの水回りの床鳴りの際は、注意が必要です。
床鳴りの原因を正確に特定するためには、音の種類や発生パターンを注意深く観察することが重要です。
特に、床材や床下構造の状態に注意を払い、問題を解決するための適切な措置を講じる必要があります。
床鳴りの問題点
快適さへの影響
床鳴りは、快適な居住環境に影響を及ぼすことがあります。
例えば、夜間に歩行する際に床鳴りが発生すると、家族や共同住戸の住人を起こす可能性があります。
これは特に多階建て住宅や集合住宅で問題となります。
床鳴りが継続的に発生すると、住環境の快適さに対する満足度が低下する可能性があります。
床材や構造への損傷
床鳴りは、床材や床下構造に損傷を与えることがあります。
繰り返しの床鳴りによって、床材同士の摩擦が増加し、床表面がすり減ることがあります。
また、床鳴りが床下の構造変化に関連している場合、構造材料に負担がかかる可能性があります。
これらの問題は、床の耐久性や美観に悪影響を及ぼす可能性があります。
床鳴りを防止する方法
床鳴り防止のための予防策
床鳴りを防止するためには、いくつかの予防策を講じることが重要です。
- 適切な床材の選択: 床材を選ぶ際には、耐久性や湿度への対応性を考慮しましょう。
- 適切な施工: 床材の施工は専門家に依頼し、適切に行われるよう確認しましょう。
- 定期的なメンテナンス: 床面の清掃や保守を行い、床材の状態を維持しましょう。
床鳴りの修繕方法
床鳴りが発生した場合、修繕が必要です。
修繕方法は床鳴りの原因に応じて異なりますが、以下の一般的なステップがあります。
床下の調査
床鳴りの原因を特定するために床下を調査します。
原因の解消
床鳴りの原因を解消するための修繕作業を行います。
湿気対策を考える際には、換気を徹底することも大切です。
床面の補修
床鳴りによって床面に損傷が生じた場合、必要に応じて床材の補修を行います。
修繕作業は、DIYで行うことも可能です。
専門家に依頼することを検討することも重要です。
床鳴り修繕費用相場
修繕費用の見積もり
床鳴りの修繕費用は、床の状態や原因、修繕の複雑さに依存します。
修繕作業を専門家に依頼する場合、見積もりを取得しましょう。
一般的な修繕費用相場は、10,000円~100,000円と範囲や補修材の注入、根太の補修など内容によって大きく金額に差があります。
全体のリフォームとなると、20万円~30万円などもあります。
修繕費用を抑える方法
修繕費用を抑えるためには、複数の見積もりを比較します。
信頼性の高い専門家を選ぶことが大切です。
また、早期に床鳴りの問題に対処することで、修繕費用を抑えることができます。
DIYという方法もあります。
市販の潤滑湯やスプレー、補修材を購入して対応することも可能です。
しかし、原因がはっきりしていない時には、無駄な出費につながります。
まずは、診断をしてもらうことが重要です。
床鳴りをDIYで直す方法
修繕方法を選択することで、効果的に対処できます。
床鳴りに関する修繕作業は、床鳴りの原因や床の種類によって異なります。
プロに依頼することが一般的です。
以下に一般的な床鳴りの修繕方法をいくつか紹介します。
【床下の補強】
床鳴りが床下の構造に関連している場合、床下の補強が必要です。
専門家は、構造材料を強化するために追加のサポートを設置します。
【床材の交換】
床鳴りが床材自体に関連している場合、床材の交換が必要です。
古くなった床材を新しいものに交換し、正しく施工することで、床鳴りを解消できます。
【振動制御】
振動による床鳴りが問題となる場合、振動制御材料の追加が考えられます。
これにより、振動の伝播を減少させることができます。
【継ぎ目の補修】
クリックノイズが床材の継ぎ目によって引き起こされる場合、継ぎ目を補修し、物が挟まらないようにすることが重要です。
【床面の調整】
クリーピングノイズの原因となる床面同士の摩擦を調整することで、床鳴りを軽減できます。
修繕方法の選択は、床鳴りの原因と床の種類によって異なります。
床鳴りが発生した場合、専門家に相談し、最適な修繕方法を決定しましょう。
新築の引き渡し後に発覚した際には、すぐに連絡をしましょう。
その上で、建築契約者との取り決めや契約書の内容を確認します。
建築業者の保証期間と欠陥や問題に関する取り決めがどのようになっているのかを確認しておくことも大切です。
床鳴りを放置するとどうなる?
床が抜けるだけではありません。
床のすき間が黒ずんでしまうこともあります。
他にも、シロアリが原因となっている場合には、シロアリが大量発生する可能性があります。
シロアリは、きれいな木材すら食べて侵食していきます。
結果、家の構造体に大きなダメージを与える可能性もあります。