注文住宅を希望するけど予算は抑えたいという声は多い。
しかし、住宅市場でも近年資材の高騰化や人材確保の難しさ、さらには輸入の問題からなかなか注文しても届かない等のコストアップにつながる条件が増加している。
これから家を建てる側からしたら何を注意しておけばコストダウンが実現するのか?
ローコスト住宅のように抑える必要がなくてもハウスメーカーや工務店でも相談可能な対策をご紹介しています。
何坪の家を建てるべき?
自分たちの予算を実現するために最初に考えるべきは、建物の広さです。
特に、基礎が必要となる1階の床面積を注目することが重要。
総面積を削減する
まずは自分たちの住まいの全体の面積を考えます。
インターネット上に多い検索として、26坪、30坪、32坪、36坪、39坪等の坪数で探す方は多い。
この数字が少ないほど当然ながら部材も基礎も必要な材料は少なくなります。
よって、コスト削減効果が期待できるのです。
延べ床面積と総二階
1つ注意していただきたいのが、吹抜けの有無。
吹抜けは実際にはコストが上がる要因であることを知らない人は多いです。
単純に建てる時に床がないから工事が安いのでは?と思うかもしれません。
その分、1階部分の天井や壁に関わる断熱材などのサイズも工夫をしなければいけないですし、基礎の柱の構造計算も変わります。
このようなことから家のバランス的にも床面積が少ないという事と吹抜けを採用するというのは、真逆の行動になっていることを注意していただきたいのです。
屋根の形状もシンプルが一番
デザイン性を重視する家づくりや平屋、太陽光発電など需要もさまざま。
でも単純に何が一番安いのか?
この答えは、ローコストの住宅が採用している片流れと切り妻屋根という1つになります。
切り妻屋根
片流れ屋根
最近、平屋の住宅に1.5階となる収納スペースという構造も人気になっています。
この時の勾配が4.5寸とか3寸という高さになるとその分コストアップになることも注意が必要です。
建物は長方形又は正方形
屋外の庭やガーデニングスペースを検討する家庭も多くなりました。
しかし、その分コストがかかる。
コの字や欠けのある住宅は、風水的に見てもあまり運気が良くない間取りもあるので要注意。
予算を意識するなら、基本としてコーナー用の建材や部材を少なくすることが大事。
1マス計算というのが設計の基本ですので、その会社の規格に従って割り切れるサイズで建てることも大切です。
間仕切りの数を削減
3LDKや4LDK、2DKなど間取りは部屋の数により異なります。
この時の部屋の数が少ない方が部材が減ります。
特に室内ドア枠や間仕切り、壁を減らす事が削減のカギ。
開放的な空間とか大空間なんて呼ばれるリビングを求める家庭も照明や建具等の工夫もしやすいことがポイントです。
ワンルームの一部をちょっとしたワーキングスペースや子どもの勉強スペースにする。
この程度であれば、テーブルやパーテーション等を設置するだけで可能ですよね。
一時的な需要にお金をかけるのは無駄。子どもが巣立ってしまった後の夫婦二人暮らしの中でも手入れをしやすい家を目指すのがポイントです。
和室はオプションよりも従来型
天井高の変化やリビング階段の普及などによりデザインの選択肢は増えました。しかし、一方で造作材の使用料は大幅にアップしているのをご存じですか?
介護用のリフォームで簡単に手すりを付けるだけの収納付きのスペースで十分。
たったこれだけで洋室の仕上げ材と比較して、3割アップとなるのを多くの人は知らない。
結果として、客間を1つ作ったり、床の間を実現させる、和紙ブラインドを実現する等正直やれることは他にもたくさんある。
雰囲気を作りたいなら、お金がかかりやすいパーツから削減することを考えましょう。
階段もシンプルがベスト
おしゃれなパーツとして注目されている階段。
リビング階段や螺旋階段など種類は多くなりました。
しかし、その分クロスの種類やアクセントクロス、照明の工事費等いろいろ必要な部材も多くなった。
結局は、安いコストで仕上げるなら、壁紙も照明も標準で対応しやすい形状で作ることが重要なんです。
室内ドアは四角でOK
洋風とか南欧風等の一風変わった建築デザインを好む家では、最近アーチ状の仕切りを採用するお家も多くなった。
しかし、これは一方で以下のような悩みの原因にもつながりやすい。
- 寒い
- エアコンが効きにくい
- 隙間が空いてしまい、音が筒抜けになる
- ほこりが他のスペースにも入りやすい
- 鍵が付けられないからセキュリティが心配
色々な悩みを生み出してしまい、結果R状にしたことで3倍コストアップさせた価値がなくなっている。
正直、見切り材の節約だけで半額で済んだのに!という現実を知ったら後悔しかないと思う。
水回りの個数
家の中にトイレは何個?
4人家族であれば、この答えは必然的に2つだろうと私は伝えておきたい。
これは、賃貸で夫婦2人暮らしをしている時でも感じるケースはないだろうか?
子どもが1人、2人、3人になれば、家族で同時にトイレに行きたいことも当然発生する可能性が高い。
こんな話をしながらも、やはり節約優先というなら、犠牲も必要。
水回りとなる洗面、浴室、トイレ等の設備は数で節約をすることが重要になります。
あとは、水回りの設備の距離を可能な限り近くしておくことで配管工事の節約をする事も大切。
収納も数に配慮
子ども部屋、リビング、主寝室それぞれに個別のクローゼットが欲しいという家庭は多いはず。
でも単純にその数を減らし、1か所の納戸やウォークインクローゼットで一気に入れてしまうというのもアイデア。
壁やドアを余分に工事しなくてよいという工夫ポイント。
ある意味、我慢ポイントともいえるのかもしれません。
でもこうすることで、1階でも2階でもママは一か所で全員の洗濯物を処理することが可能になります。
ある意味、家事動線や生活動線で言っても理想的な考え方ともいえるのです。
家具購入と大工工事
引き渡し後に新居にどの程度の家具家電を購入するべきか?
クローゼットは形だけで箪笥を入れようとか布団をしまうために押入れだけは絶対必須など各家庭の事情はあります。
その中でも簡単に節約ができるのが、フリーラックタイプ。
大工さんに木で加工してもらって作ってもらうことで、耐震とかサイズ違いという不安を解消することが可能。
これって意外と家そのものを安定化させることにもつながるので他で余分なコストを出さないという節約効果があります。
階層と建て方の工夫
2階建てでは部屋数が足りない,敷地が狭いから縦長に3階建てにするしかないのか?
こんな悩みを抱えた時には、今の建て方のアイデアにある中間層の屋根裏や天井高を工夫した構造を採用するのも大切。
総3階建てよりもスキップフロアを採用するほうがコストが落とせるのがポイント。
収納オプションは作り方に注目
造作家具を採用すると高さや幅、奥行きもちょうどよい仕上がりになる。
しかし、見えない,隠す収納を目指すとその分扉や取っ手,さらにはスライドの部材など必要な材料費も上乗せされていく。
この収納をあえて見せる化するという方法でコストをを抑えるというのも現実的な考え方。
掃除の手間やほこり対策は必要になりますが、実際に扉一枚をオーダーするよりも引き出し一つをお願いするほうがコストが安い。
さらに、棚においては、オープンで高さ調整も自由なタイプにすれば、マイホームセンターや100均グッズを利余水手色や素材を工夫することも可能。
見た目のデザインに飽きたら変更するのも簡単という意味で、失敗してもその後の修正が可能になる。
使用したいサイズのかごやボックスがあれば、そのケースが入るぴったりの高さに合わせてもらうとスッキリとキレイに収まります。
土地選びは超重要
変形地や足場が大変な場所,地盤が弱い,資材運搬用の車両が入れない等工事が始まる際の課題は多い。
道路と面するだけでなく、自分たちの家づくりがスムーズに行える場所なのか否かによって負担するコストは変わってくる。
敷地の立地条件をきちんと確認をすることがこうした出費を防止するポイントになります。
部材でコストを調整する
セミオーダーやカスタマイズという言葉の響きに憧れる人も多い。
しかし、これらはすべて+αの費用を前提とした選択肢。
既製品をフル活用
窓1枚、扉1枚でコストが変わる世界。
ドアやサッシをどうするのか?という悩みと実際に自分たちでちょっと工夫をすれば対処が可能な物を見極める。
工務店などに多いのが、無垢材を使用する床や室内ドア。
これは本当に依頼をしないといけないのか?
もっと簡単に表面だけ既存の床に上乗せする対策では足りないのかを考える。
階段やサッシのタイプ等細かい部分を見ていくと意外と工夫すれば対処できることは多いのが現実です。
オーダーはなるべく排除
室内と屋外で色が異なるサッシを採用するべきか?柄が他にはないタイプで個性を演出したい。
こんな悩みを抱えた時にはまずはシンプルなタイプでコストを抑える事がオススメ。
将来的には、水回りのリフォームを必要とした際、多くのリフォーム会社が床と壁紙をセットにしているケースも多くなった。
最近の量産クロスでもぬりかべ風やペイント風等のオシャレなタイプもあるのが現実。
まず契約をする前にいろいろなサンプルや使ってみたい対象を絞り込むことも大切です。
高級感を追求しない
ちょっとでもリビングや書斎等こだわりを演出したいと思ってしまうと簡単にコストは上がっていく。
わかりやすいのは、アクセントクロス。
確かに楽しみであったとしても、その効果や見た目以外の日常生活での使い勝手から高価な材料を選んだ事に後悔する人は意外と多い。
だったら、まずは来客の目に触れたとしても普通の家を目指す。
個室や収納スペースも正直安価なクロスで対応しても掃除しやすいほうが管理が楽。
カウンターやモザイク等ちょっとしたパーツなら正直、ネット通販で購入しても対応は可能。
どこかDIYで対応できる部分はないのか?
こう考えれば、床材も無垢材と合板のフローリングなんてどこでも簡単に扱えるようになった時代。
素焼きとプラスチックのタイルも価格をチェックして比較するだけで大きく差が出ます。
統一化することが大事
廊下や階段、玄関の框等細かい仕上げ材をそれぞれバラバラにオーダーするとどうなるのか?
専門の職人さんを呼ばないといけないというだけで余分な人件費が発生。
部材の種類を多く扱うというのは、その分その工事を担当する人の数を増やすことにつながる。
家の中の土間にタイルを敷く。たったこれだけでもクロス屋さんとタイル職人をそれぞれ用意するという流れになる。
他にも、家具、電気、建具はそれぞれ違う担当となればきりがない。
ただでさえ、塗装工事や給排水等の排水関連も別になるのに今確保している人以外を採用することを検討するのはコストアップ以外の何物でもないのです。
無垢の種類も慎重に検討
フローリングの種類では簡単に高い安いを見る方法があります。
それが1枚板の幅や長さのバランス。
長い一枚板となればその分コストは上がる。
細かい小さな板の集合体になるとコストは下がる。
節のあるなしでも木材は値段に差が出ます。
見た目の癖なんて知らない人がほとんど。まずは節があっても味があるという感覚で見ることができるか?
これだけで、安価な部材を選ぶことができますし、質感を楽しむことも可能になります。
樹種にも注目が必要
建材を選ぶ時には、色を選ぶというのも一般的。
よくある色の種類は、ナチュラル、オーク(ナラ)、ウォールナット、バーチ、チークなど。
これらは広葉樹という種類から作られています。一方でスギ、ヒノキ、パイン材といった種類は、針葉樹となっている。
差が分かるかと言えば、わかる人にはわかるけどわからない人にはあまりピンとこない。
どちらが安いのかと言えば、針葉樹のほうがお手頃な価格の設定になっているのが特徴です。
余った部材を上手に活用
多くの人が誤解しているのは、構造に使用する木材は内装とは違うという考え方。
内装は内装専用ということばかりではありません。
壁や床の下地に採用されているちょっと表面に粗削りのくせがあるものは価格が安いためお手頃。
特に2x4(読み;ツーバイフォー)工法に使用される構造体は、ねじれが少ないわりに安いというのも特徴です。
畳の種類や価格にも注目
和室や畳スペースに採用するのは、和紙?それとも琉球畳?高級感にこだわりすぎは危険。1畳分でも万の位が変わってくる世界。
4.5畳のように半畳を希望するなら、すべてが半畳サイズで構成されているタイプを選ぶというのも大事。
後は、縁つきか縁なしかによっても費用は異なります。
石とタイルは価格を比較
玄関タイルという言葉がありますが、実際に天然石にするの?大判にするの?等の選び方でオーダー性になってしまうケースも多い。
こちらも1枚単価が数万円です。
最も価格が抑えやすいのが、タイル形状で30~40㎝規格になっている既製品を選ぶことがオススメです。
タイルと目地の手入れ
バルコニーのタイル選びでも大きく異なるというのも特徴の一つ。
PCV素材、ビニールクロスなどタイルも種類と目地の管理方法を確認しながら普及品を選ぶことが大切です。
塗装は専門業者向け以外
素材をあえて一般のビニールクロスタイプで選ぶ。
こうすることで、1㎡あたりの工事費を節約することが可能になる。
マットやテカリ等艶感の好みもあると思いますが、高い物を選ぶよりも安いけど高級感がありそうと思える商品を選ぶ。
これも大事。
窓の種類とサイズ選び
窓は外観にも影響を与える重要なパーツ。
縦すべり、横すべり、FIX、上げ下げ、ルーバー、引き違い等種類はかなり多い。
もちろん、規格外のサイズもオーダーすることが可能。
しかし、オーダーは正直1枚単位はかなり大きな差額になります。
さらに、サッシの組み合わせでもアルミサッシなのか樹脂サッシなのかで変わります。
ガラス1枚でもシングルガラスとペアガラス、トリプルガラスで価格はかなり違いが出ます。
将来は自分たちで
工事費を節約した後に、ちょっとイメージチェンジと思った時、できるだけ自分たちでDIYをしやすい壁や床を選ぶのも大事。
家族みんなで仕上げる家づくりというのも楽しみの一つ。
しかし、下地処理が大変な作業を伴うような壁を選ぶと正直その差額が大きくなります。
将来簡単に自分たちでもDIYができるような安いタイプが良い。
こういう希望を事前に伝えるとそれなりの安い物を出してくれることも多いです。
設備をグレードダウン?
トイレ、キッチン、浴槽、洗面台等水回り関連だけでも多くのメーカーやグレードが存在します。
メーカーはフリーが基本
パナソニック、TOTO、INAX、LIXIL等国内の有名メーカーは多数あります。
でも、この会社の商品が良いと指定をすると選択肢に事前に用意していない企業となっているケースもあります。
こういう場合は、別注になりますので、結局は値段が高くなりやすい。
価格を抑えるために行うのは、とにかくその会社が安く提供できるメーカーの中から選ぶ。
独自ルートという表現が正しいかどうかは別として、やはりどの部材も取引がある会社からのほうがお値打ち価格を交渉しやすいのも現実です。
オプション採用は最低限
システムキッチンで言えば、吊下げ収納や自動のタッチレス水栓、食洗器、IHコンロ、オイルガード等選択肢は数多く存在します。
しかし、これら一つひとつにはすべて費用が上乗せされるケースが多い。
標準仕様という中で自分たちが今使っている環境と同等をまずは採用する。
これだけでも高さの選択をしているしていないで使い勝手は大きく変わってきます。
今使っていないものは正直いらないかもしれない。
このくらいの気持ちで検討することが重要です。
照明器具もシーリングで対応
標準がダウンライト使用になっていますという案内に魅力を感じる方も多い。
しかし、その分部屋の広さやサイズ感によって、数が多くなったり、全自動や調光といった機能も魅力に感じてしまうことも多い。
だったら、最初はシーリングタイプで取付。
こうすれば、自分たちの好きなスポットライトでもペンダントタイプでもシャンデリアでも選べる。
さらには、レール等を不要にしたら、余分な掃除も必要ない。
手間がかかることはしない。
施主支給よりもまとめ買い交渉
照明や家電製品も基本は保障の対象になるかならないかを考える。
他店で購入した商品をまた違う店で取付を依頼する。
この場合は、当然取付料金は割高に設定されることも多い。
さらに、保障についても不動産会社の対象外として、不具合や故障があったら第三者の電気工事を依頼してもらうように言われることも多い。
だったら、最初から、シーリングで安いタイプを採用したほうがコストダウンになる。
エアコンの台数と標準仕様
工務店などでは、カーテンや家電製品をプレゼントというキャンペーン企画を実施する会社もあります。
中でも各部屋に必要になる代表的な存在がエアコン。
これもまた契約した会社の案内に従って、可能な限り選択範囲の中で選ぶことが大事。
あくまでオプションにならない範囲で選択できる数や設置するサイズ、メーカーなども事前に確認をしておくことが大事。
自分たちが使い始めたばかりの対象があれば、取り外しと取付工事を依頼するのも可能です。